国際交流事業

第10回親善訪問 カナダへの旅を終えて

広島車いすダンスくらぶ 会長 仲井サカエ

 

 2014年9月18日出発し、9月24日帰国の7日間の旅を終えてまいりました。

 今回の親善訪問事業は、第10回と言うこともあり、これまでで最も遠隔地にあたるカナダに早くから決めていました。広島市と、カナダ東部にあるモントリオール市とは姉妹都市でもあり、また、羽田からの直行便が到着するカナダ随一のビッグシティ・トロント市とこの二つの都市を訪問することにいたしました。モントリオール市は、北海道よりもかなり北に位置し、訪問する頃には、最低温度6℃、最高が16℃でした。

 広大な大地に、日本の人口の3分の1しか住んでいないカナダは、移民を積極的に受け入れ、人種のモザイクとも言われ多様な文化が混じりあって発展してきました。

 モントリオール市はフランス語が公用語です。モントリオールでの最初の公演は、市内の公園の中にあるレストランでした。出張中の市長の代理として来られた国際関係部署の職員さんはモントリオール市長さんとともに8月6日に広島でお会いした方で、とても身近に感じました。また、新井総領事も同じ頃、広島でお会いして懐かしく思いました。カナダ日本協会の副会長や次期会長候補の人、理事など、立派な方々の出席の元、挨拶や広島市長のメッセージの進呈、広島県カナダ日本協会から現地の協会への親書の進呈など、一連のセレモニーがあり、正に親善訪問のシナリオ通りに行われました。

 終了しいよいよ車いすダンスの披露が始まりました。前市長を含め、50人くらいのお客さまが来ておられました。着替えの合間には上野先生と吉野先生によるヴァイオリンとピアノの演奏が行われ、全て上手く行きました。踊るスペースは縦に長く不正形でしたが、これも平素から訪問活動で狭くても広くても人前で踊ることに慣れているため上手くできました。もちろん、ご覧になられた皆さんは、驚きと深い感動に包まれておられる様子で、いつもダンスが終わった時するように参加者全員が皆様と握手をしてまわり、親善交流の役目を果たしました。午後は、障がい者のための立派な入所施設を訪問しました。さまざまな障がい者がさまざまな車いすに乗って見に来られました。

 翌日はモントリオールの歴史を踏まえた観光、翌日はトロントで、世界の名勝、ナイアガラの滝を見物しました。全員が滝つぼめぐりのボートに乗り、滝のシャワーを浴びました。車いすの人も全員が滝つぼめぐりができたことが私にはとても嬉しいことに思えました。全てが、助け合いながらの旅です。

 翌日は、数年前には、天皇皇后両陛下も訪問されているというカナダ随一と言われる日系老人ホーム「もみじ」を訪問し、広いステージで存分に踊りました。入所者の皆さんからは大変喜んでいただき、それぞれのテーブルに分かれて歓談しました。正に一人一人が親善大使になり笑顔で歓談しました。楽しいひとときでした。午後はトロントのダウンタウンへ行き、さすが、カナダ一のビッグ都市だけに、古い高層建築や新しい斬新な建物などがまじかで見られ、圧倒されました。ただ、時間がなくCNタワーに上ることができなかったことは残念なことでした。

 遠隔地だけに、往復2日間を使っての長旅でしたが全員無事に帰国できて安堵しています。帰国後、市役所へメッセージをお渡ししたことを報告に行ってきました。お世話になった現地の皆さんへは、英語や日本語で礼状を書き、すでに返事がたくさん来ています。モントリオール市役所からフランス語の返事が来て「緊急に聞きたいことがあればいつでもどこそこに連絡ください」と親切に書いてありました。外国に出かけてみると親切にしていただくと本当に身にしみて嬉しいものです。私たちも、外国から来られる人には親切にしなければと改めてそう思いました。

 出発前、あるいは、現地でお世話くださった皆さまに心より厚くお礼申し上げます。

 

あちらでお会いしたどなたかが、きっと、こちらに来てくださる予感がします。とても嬉しい予感です。                 

2014年10月1日記

カナダ親善訪問写真集▶

歓迎セレモニー、ダンスパフォーマンスを終えて レストラン“Espace la Fontaine”